企業運営の四要素
国際規格ISO9001が提唱する企業運営のモデルは、四つの要素から構成されている。すなわち、
- 企業にかかわる利害関係者(顧客はもちろん、社員や株主を含む)のニーズと期待を明らかにし、それを充足することで競争力を強め、企業活動を効率的かつ効果的に実践する。
- ベストプラクティスを求めることにより、企業の競争力を高め、企業業績を向上させる。
- 最高経営責任者はリーダーシップを発揮し、すべての業務の効率を高めるとともに、個々の社員が成果を擧げられるよう支援し、その能力を開発する。社員の満足度が上がれば、顧客満足を高められる。結果として売上げ金額、利益、マーケットシェアを向上させられる。
- 事業運営に必要な資源を的確に確保しなければ、結局、資源の消失を招く。つまり欠陥のある製品やサービスを市場に出すと、市場での競争力を失う。さらにマーケットシェアの低下、企業イメージ・評判の損傷、顧客苦情、製造者責任上の損害、人的財務的損失のなど追加的な損失が次々に重なる。
これで理解できるように、国際規格ISO9001品質マネジメントシステムは、企業運営のクオリティを高め、好ましい企業業績を継続的に実現するように構成されている。下図は、ISO9001に採用された品質マネジメントシステムのモデルである。
(注:本書を執筆している時点では、このモデルは公開されていなかった)
TQMの考え方
このモデルを構成する各々の要素は相互に密接な関係を保持している。経営者は「経営者の責任」の下で品質マネジメントシステムを構築し、事業運営に必要となる「ヒト、モノ、カネ、そして情報」などの資源を確保するために「経営資源の管理」を行う。
顧客の要求を充たす製品の生産やサービスの提供のための業務プロセスを確立し、「製品の実現」を具現化する。
「測定・分析・改善」のプロセスを通じて、製品やサービスのクオリティと顧客満足の度合いを測定し、結果を評価し、さらなる向上を目指す。
これら一連のプロセスを評価した結果は、「経営者の責任」の一つであるマネジメント・レビューで討議される。もちろんだが、外部に委託している業務も監査され、その結果が納入実績とともにレビューされる。Total Quality Management(TQM)でのPDCAサイクルを絶えず回転させて企業業績を向上される仕組みを国際規格ISO9001は提示している。